烈海王「この私が、ことわざの真の意味をお教えしようッッッ!」

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    以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/06(月) 22:27:49.24 ID:blOWH/850
    『急がば回れ』



    烈海王は奔(はし)っていた。

    ダダダッ!

    烈(不覚……ッッ)

    烈(私としたことが、神心会での稽古開始時刻を誤って記憶していたとは……!)

    烈(稽古に遅れる拳法家など、言語道断!)

    烈(間に合うか……ッッ!?)

    ダダダダダッ!


    3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/06(月) 22:32:17.80 ID:blOWH/850
    ザッ……!

    烈「む……」

    烈(ここは、いつぞやの川──)

    烈(死刑囚ドイルを背負い、渡った川だ)

    烈(今のこの足で、走って渡り切れるものか……?)

    烈(できるかもしれぬが、絶対とはいえぬ)

    烈(泳いでいけば容易いが、濡れた身体で道場に足を踏み入れるのは非礼に当たる)

    烈(しかし、遠回りして橋を渡ったなら、稽古開始に間に合わぬのは確実……ッッ)

    烈(どうする……!?)


    4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/06(月) 22:36:12.76 ID:blOWH/850
    烈「!」ハッ



    少年「いけッ!」ビュッ

    ピッ ピッ ボチャン……

    少年「あァ~……沈んじゃった」

    父「もっと勢いよく投げて、回転をつけなきゃダメだな」

    川に石を投げて遊ぶ父子。



    烈(これだッ!)


    5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/06(月) 22:38:40.55 ID:qkRD1gwX0
    まさか回れって…


    6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/06(月) 22:38:58.68 ID:s75GTZAZ0
    それじゃない!


    
    7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/06(月) 22:40:16.73 ID:blOWH/850
    烈(蹴りの遠心力で体重を殺し、濡れた和紙の上を渡り切るという演武……)

    烈(克巳さんも最大トーナメントで披露していたが)

    烈(あの演武における技術と足踏みを組み合わせれば──)

    烈(今の私の足でも、この川を渡り切ることは十分に可能だッッッ!)

    烈(──いざッッッ!)

    チャプ……


    8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/06(月) 22:45:27.70 ID:blOWH/850
    高速回転しながら、水面を猛烈な勢いで足踏みする烈。

    ザババババババババババッ!

    烈(うむ……)ギュルルルッ

    ザババババババババババッ!

    烈(イケるッッッ!)ギュルルルッ

    ザババババババババババッ!

    烈(この方法ならば、おそらく30メートルまでなら問題ないッッッ!)ギュルルルッ

    ザババババババババババッ!



    少年「お父さん……人が回りながら川を渡ってるよ……」

    父「ああ……渡ってるな……」


    11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/06(月) 22:48:07.46 ID:P7Oa203j0
    やりやがった…


    12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/06(月) 22:49:24.87 ID:blOWH/850
    ダンッ!

    烈(渡り切った……ッッ)ハァハァ…

    烈「すまぬッ! お騒がせしたッ!」

    少年「イ、イエ……」

    父「こちらこそ……」

    烈(いざ神心会へッッッ!)ダッ





    『急がば回れ』

    急いでいる時は、肉体を高速回転させれば、目的地に早く着くことができるということ。


    13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/06(月) 22:55:09.12 ID:blOWH/850
    『犬も歩けば棒に当たる』



    町中を歩く烈海王。

    烈(……ほう)



    女「コラ、ちゃんと道のはしっこを歩きなさい!」スタスタ…

    犬「ワン、ワン」トコトコ…



    烈(犬の散歩か……いいものだな)


    14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/06(月) 22:58:27.38 ID:blOWH/850
    犬「ワンッ!」バッ

    女「あっ!」

    犬「ワン、ワン!」ダッ

    女「ま、待ちなさいッ!」

    飼い主の女性がヒモを放したスキに、犬が走りだしてしまった。



    烈「む……」

    烈が犬が走っていく方向に目をやると──


    16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/06(月) 23:02:37.54 ID:blOWH/850
    ブロロロロ……



    烈(自動車ッ!)

    烈(このままあの子犬が一直線に走り続ければ──)

    烈(子犬が自動車と激突する可能性大ッッッ!)

    烈(やむをえんッッッ!)サッ

    シュルッ……

    カカカッ!

    ズボンから、かつてドイルに使用した多節棍を取り出し、組み立てる烈。


    17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/06(月) 23:07:18.79 ID:blOWH/850
    烈「破ッ!」

    ブオンッ!

    グサッ!

    烈が投げた棍は、犬の目の前に突き刺さり──

    犬「キャンッ」コツンッ

    進路を妨害することで、犬の走行を止めることに成功した。



    ブロロロロ……!

    そのすぐ前方を、自動車が走り去っていったことはいうまでもない。


    18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/06(月) 23:11:35.22 ID:blOWH/850
    女「あの……ありがとうございました!」

    烈「礼には及びません」

    烈「しかし、犬の散歩をする時はくれぐれもご注意を……」

    女「は、はいッ!」

    犬「クゥ~ン……」パタパタ…

    女「もォ~……勝手に走りだしちゃダメでしょ!」

    烈「では、私はこれで……」ザッ…





    『犬も歩けば棒に当たる』

    犬が危機に陥った時は、どこからともなく棒が飛んできて助けてくれるということ。


    22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/06(月) 23:17:22.11 ID:blOWH/850
    『逃がした魚は大きい』



    フェリーで海を観光する烈海王。

    烈(ふむ……)

    烈(たまにはじっくり海を眺めるというのもいいものだ)

    烈(海は、全ての生命の源ともいわれる……)

    烈(こうして海を眺めていると──)

    烈(地球誕生から現代までの悠久の流れを、この五体にて感じ取ることができる)

    キャァァァ…… ワァァァ……

    烈(何事か?)


    24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/06(月) 23:21:35.00 ID:blOWH/850
    烈「どうされましたか」

    観光客A「あんなところにでっかい鮫が……!」

    観光客B「こんな小さなフェリーじゃ、もし襲いかかられたら……!」

    烈「…………」



    ザザザッ……



    烈(あれは……ホホジロザメ)

    烈(ヒレから察するに……サイズは5メートルから6メートル、といったところか……)

    烈(危険だな……)


    27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/06(月) 23:26:10.06 ID:blOWH/850
    烈「皆さん、ご安心を」

    観光客A「え?」

    観光客B「いったいなにを……」

    烈はフェリーから足を出すと──

    烈「噴ッ!」ブンッ



    バッシャァンッ!



    震脚の要領で水面を力強く踏みつけた。

    すると──


    30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/06(月) 23:30:47.64 ID:blOWH/850
    サメ「!」ピクッ

    ザザザッ……



    観光客A「オオッ!」

    観光客B「逃げていく!」



    烈が起こした衝撃の大きさに驚いたのか、

    あるいは衝撃を起こした本人の戦力に驚愕(おどろ)いたのか──

    巨大ホホジロザメは海の彼方に逃げ去ってしまった。



    烈「もはや、あのサメがこの海域に近づくことはないでしょう……」





    『逃がした魚は大きい』

    中国武術を極めれば、巨大な魚を寄せつけずに撃退できるということ。


    32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/06(月) 23:36:33.99 ID:blOWH/850
    『帯に短したすきに長し』



    神心会本部道場にて、道着に着替えようとする烈海王。

    烈「…………」ギュ…

    ブチッ……

    烈「む……」

    克巳「あらら……帯が切れちゃいましたね」

    克巳「その長さじゃ、帯にもたすきにも使用(つか)えないでしょう」

    克巳「ちぎれた帯はウチで処分しますから──」

    烈「イヤ……」

    烈「今日は少々予定を変更しましょう」

    克巳「え……?」


    33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/06(月) 23:40:48.30 ID:blOWH/850
    稽古開始──

    烈「ハイィィィッ!」

    ビュババババッ!

    ビュバッ!

    バババババッ!

    鮮やかな帯(?)さばきで、周囲に置かれたガラス瓶を切り裂いていく烈。

    烈「破ァッ!」

    バシュッ!

    最後のガラス瓶の頭も、ふっ飛んでしまった。

    オォ~……!

    克巳「スゲ……」


    34以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/06(月) 23:45:39.95 ID:blOWH/850
    克巳「おみごとです、烈さん」パチパチ…

    克巳「まさか、ちぎれた帯がここまで鋭利な武器になるなんて……」

    克巳「中国武術の真髄、堪能させてもらいました」

    烈「ふむ、ちょうどいい機会だ」

    烈「今日は予定を変更して、帯の武器化について講義いたしましょう」

    克巳「よろしくお願いしますッ!」ザッ





    『帯に短したすきに長し』

    帯として巻くには短く、たすきにするには長い布は、鞭として活用できるということ。


    36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/06(月) 23:51:38.97 ID:blOWH/850
    『仏の顔も三度』



    ある寺院にて──

    先輩「いいか? 絶対キズつけるなよ」

    先輩「もしキズつけちまったら、とても弁償なんかできねえからな」

    業者「ワカってますってェ~」

    業者「俺だって初めてじゃないんスから……」

    ガラガラガラ……

    高価な仏像を、台車で注意深く運ぶ業者。


    37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/06(月) 23:55:13.32 ID:blOWH/850
    しかし──

    猫「ニャァ~ン」ダッ

    業者「ウワァッ!?」ビクッ

    グラッ…… ゴトン……

    業者「し、しまった……ッッ!」

    業者(早く起き上がらせないと……)ゴトッ

    業者「!!!」

    業者(仏像の顔が……ヘコンでる……ッッ)


    39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/06(月) 23:59:22.11 ID:blOWH/850
    業者(ああ……もう終わりだ……!)

    業者(どうすれば……ッッ)ガクッ

    ザッ……

    烈「オヤ……?」

    業者「!」ギクッ

    烈「どうかなされたか」

    業者「イヤ……あの……!」

    業者(寺の人!? いや、ちがう……カンフー映画!? 中国人!?)

    たまたま寺を参拝していた烈海王であった。


    40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/07(火) 00:07:21.46 ID:blOWH/850
    烈「ふむ……運び入れるハズの仏像を誤ってヘコませてしまった、といったところか」

    烈「ここで出会ったのも、なにかの縁」

    烈「私にお任せを」

    業者「え……ッッ」

    業者(お任せを……って、このカンフー兄ちゃん、いったいどうする気だ……?)

    業者(まさか、ヘコんだのなら、いっそ壊しちまおうとかいうんじゃ……)

    烈「噴ッ!」シュッ

    ゴッ!

    業者(マジで!?)


    41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/07(火) 00:10:22.56 ID:uKYOkO8V0
    業者「チョ、チョットアンタ……仏像に拳なんか……ッッ!」

    烈「破ッ!」ドリュッ

    ガンッ!

    業者「や、やめッ──」

    烈「斗ォッ!」ボッ

    ドンッ!

    業者「ア~~~~~~~~~~~~~~ッッッ!」

    業者「……ン?」


    42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/07(火) 00:14:22.17 ID:uKYOkO8V0
    業者「な……直ってる……ッッ! 仏像のへこみが……キレイサッパリ……」

    烈「私はこれにて……」ザッ…

    業者「ありがとうございますッッッ!」



    仏像『やれやれ……』

    仏像『こんな荒療治を受けるとは、思わなかったぞ』

    仏像『まァ……男前が戻ったということで、今回は許しておいてやろう』





    『仏の顔も三度』

    たとえ仏の顔がへこんでしまっても、三度殴れば元通りになるということ。


    43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/07(火) 00:20:38.66 ID:uKYOkO8V0
    『鬼に金棒』



    夜、繁華街にて──

    刃牙「でさァ~……」

    梢江「へぇ~……」



    不良A「アイツがバキか……」

    不良B「あんなガキを、花山の大将や柴さんが認めてるだと? 信じられねェ……」

    不良A「ま、ウワサが真実にしろフカシにしろだ」

    不良A「アレをやりゃあ、俺たちの名が上がるってのは間違いねェ」

    不良A「今は女ツレてるし……後ろからバットでやりゃイッパツよ」ズイッ


    44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/07(火) 00:24:42.85 ID:uKYOkO8V0
    烈「やめておきなさい」

    不良A&B「オワッ!!?」ビクッ

    不良A「なんだァ……てめぇ……?」

    不良B「中国人……?」

    不良A「やめておきなさい……ってもしかしてアンタ、バキ君を守ろうっての?」

    烈「逆だ」

    烈「君たちを守りにきた」

    不良A「フゥ~~~~~ン」ピクピクッ

    不良B「じゃ……守ってもらおうじゃないの……」

    不良A「オラァッ!」ブオンッ

    不良B「シャアッ!」ブウンッ


    45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/07(火) 00:29:50.51 ID:uKYOkO8V0
    カカッ!

    不良A&B「…………ッッ」

    不良A(金属バットが……折れたんじゃない。切断(きれ)た……)

    不良B(人間じゃねえ……!)

    不良A&B「ヒエエ~~~~~ッ!」タタタッ

    烈(たかが金属バットで、あの鬼の血をひく範馬刃牙に挑もうなどと──)

    烈(勇気というよりは無謀……否、無謀というよりは無知、か)





    『鬼に金棒』

    素人が金棒を持ったところで、鬼には到底かなわないということ。


    47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/07(火) 00:35:09.04 ID:uKYOkO8V0
    『二階から目薬』



    あるマンションの下を通りがかった烈。

    ビュオォォォォォ……!

    烈(む……突風か。目に少しゴミが……)ゴシゴシ…

    すると──

    「ねえねえ、おじちゃーん」

    烈「!」


    48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/07(火) 00:36:57.41 ID:6ye6h92yO
    容易に想像できておもしろいなw


    50以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/07(火) 00:38:23.24 ID:uKYOkO8V0
    烈が上を向くと、二階のベランダに母子がいた。

    幼児「ボクが目薬さしてあげる~!」キャッキャッ

    烈「…………」

    母「コラッ、変なこといわないの!」

    母「すみません、子供のいうことなんで気にしないで──」

    烈「かまいません」

    母「え……ッッ」

    烈(無垢なる少年の好意──拳法家として無下にはできぬ)

    烈「そこから目薬を落としていただいて、一向にかまいませんッッッ!」

    母「~~~~~~~~~~ッッッ!」


    52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/07(火) 00:43:24.12 ID:uKYOkO8V0
    幼児「じゃあ、いくよ~!」

    ピチョンッ……

    幼児の握る容器から落とされた薬液の滴(しずく)──

    常人ならば視認することすら困難であろうが、

    常日頃から鍛錬を欠かしていない烈海王の動体視力には、

    まるでスローモーションのように感じられた。

    しかし──

    ビュアッ!

    烈(再び突風ッ!)

    滴は風にあおられ、5メートルは横に吹き飛んでしまった。

    烈(間に合うッ! 間に合わせてみせるッ!)ダッ


    53以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/07(火) 00:47:28.75 ID:uKYOkO8V0
    ズザザッ!

    まるで野球のスライディングのように、仰向けに地面に滑り込んだ烈海王。

    烈の右目は、少年が落とした滴を見事にキャッチした。

    ムクッ……

    烈「謝々(アリガトウ)……」ペコッ…



    幼児「カ、カッコイイ……」

    母「……でも、マネしちゃダメよ」





    『二階から目薬』

    拳法家にとっては、二階から落ちてくる目薬を目で拾うことも容易いということ。


    55以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/07(火) 00:51:18.95 ID:ITkkaz0IO
    やだ・・・かっこいい


    56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/07(火) 00:52:38.38 ID:L4fiOgLJ0
    ……でも、マネしちゃダメよ


    57以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/07(火) 00:53:30.20 ID:uKYOkO8V0
    『情けは人の為ならず』



    町を歩く烈海王。

    ブロロロロ……!

    ガタンッ! ドザザザザッ……!

    烈「!」

    トラックに積んであった土嚢が、道路に崩れ落ちてしまった。

    キキィッ……

    運転手「アッチャ~……他の車が来る前に、積み直さないと!」ダダダッ


    58以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/07(火) 00:53:48.88 ID:/Bwnvpul0
    拳法家って凄い


    59以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/07(火) 00:54:30.95 ID:ImyLCsr30
    たまにこういうスレがあるからやめられん


    72以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/07(火) 01:32:41.89 ID:zHEZYpdJP
    >>59
    ほんとこれ


    60以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/07(火) 00:56:36.87 ID:uKYOkO8V0
    烈「手伝いましょう」

    運転手「ありがとう! 助かるよ!」

    烈「…………」ヒョイッ

    運転手(すげェ……指の力だけで土嚢をつまみ上げてる……)

    運転手(一袋20キロはあるってのによ……)

    烈のおかげで、あっという間に土嚢は積み終わった。

    運転手「本当に助かったよ!」

    烈「礼には及びません」


    61以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/07(火) 01:00:34.37 ID:uKYOkO8V0
    運転手「しかし、それじゃ俺の気が──」

    烈「かまいません」

    烈「失敬」ザッ…

    運転手(いったい何者なんだ……プロの格闘家かなんか?)



    烈(フム……よき鍛錬ができた)

    他人のピンチを、ピンチ力(物をつまむ力)の鍛錬に生かす烈であった。





    『情けは人の為ならず』

    他者に情けをかけることは、己の武を高めることに繋がるということ。


    62以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/07(火) 01:06:48.48 ID:uKYOkO8V0
    『年寄りの冷や水』



    中国武術師範、烈海王氏はこのように語っている。

    烈「周辺の環境を武器と成す──」

    烈「行住坐臥全て戦いといえる武術家にとっては、必須の技術といえるでしょう」

    烈「この分野の第一人者といえば」

    烈「環境利用闘法の師範、ガイア氏などが挙げられるでしょうが……」

    烈「我、中国武術界の長老、郭海皇もまた環境の武器化には秀でております」

    烈「私も先日、老師に教えを受けましたが、それはもう……」

    ………

    ……




    64以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/07(火) 01:11:50.85 ID:uKYOkO8V0
    郭「烈よ」

    郭「このように、柔らかく頼りない“水”ではあるが」チャプ…

    郭「使いようによっては、とてつもない武器になる」

    烈「はっ……」

    郭「例えば──」

    郭「こうッッッ!」シュッ

    パァァァンッ!

    消力(シャオリー)の要領で、手首にスナップをきかせ、壁に水を投げつける郭海皇。

    烈「…………ッッ(石の壁にヒビがッ!)」


    65以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/07(火) 01:15:38.60 ID:uKYOkO8V0
    郭「さらに──」

    郭「目に当てれば目潰し、気管に叩き込めば呼吸困難に陥らせることもできる」

    郭「涙穴に鋭打すれば、地上で“溺れさせる”ことも可能じゃ」

    烈「ナルホド……」

    郭「しかも水といっても、なにも“水”でなくともよい」

    烈「……といいますと?」

    郭「よ~するに、液体ならなんでもよい」

    郭「汗でも、涙でも、唾液でも、胃液でも、血液でも、尿でも、精液でも……」

    郭「日頃我々が何気なく垂れ流してるモノは、実は大きな武器というわけじゃ」

    烈(ナ、ル、ホ、ドォ~……)


    66以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/07(火) 01:17:15.35 ID:ITkkaz0IO
    武術の勝ち


    67以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/07(火) 01:20:26.77 ID:uKYOkO8V0


    ……

    ………

    烈「教えを乞いつつ、私は改めて郭老師の恐ろしさを思い知りました」

    烈「あの方ならば……郭海皇ならば、使うでしょう」

    烈「勝利に必要とあらば、迷わず使用(つか)うでしょう」

    烈「必要とあらば──水でも体液でも、なんでもッ!」

    烈「それが武というものなのですから……」





    『年寄りの冷や水』

    水を得た老人は非常に危険だということ。


    68以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/07(火) 01:26:11.38 ID:uKYOkO8V0
    『火のないところに煙は立たぬ』



    神心会本部──

    克巳「──以上ッ!」

    克巳「本日の稽古はここまでッッッ!」

    門下生A「オスッ!」

    門下生B「館長、勉強させていただきましたッ!」

    門下生C「ありがとうございましたァ!」


    70以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/07(火) 01:30:13.78 ID:uKYOkO8V0
    克巳(ふぅ……今日のところはこんなもんかな)

    克巳(あとは自主練でも──)

    克巳「!?」

    ある部屋の扉から、白い煙のようなものが漏れ出していた。

    克巳(なんだいありゃ……)

    克巳(まさか──火事ッ!?)

    ガラァッ!

    勢いよく扉を開ける克巳。

    すると──


    74以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/07(火) 01:35:20.22 ID:uKYOkO8V0
    克巳「…………」

    克巳「烈……さん……?」

    烈「む」

    モワァ~……

    克巳(今の煙の正体は──)

    克巳(烈さんの体から流れる汗が気化してできた、湯気だったのか……ッッ)

    克巳「站椿(たんとう)ですよね……。いったい何時間そうして……」

    烈「数えていない」

    克巳「ハハ……さすが!」


    75以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/07(火) 01:40:33.30 ID:uKYOkO8V0
    克巳「どうです……?」

    克巳「こっちも門下相手の稽古が終わったところなんです」

    克巳「組み手でもしませんか?」

    烈「私はかまわん」

    克巳(俺は腕、烈さんは足を失ったが──)

    克巳(烈海王の炎のような闘気は未だ健在、だな)

    克巳(俺も見習わなきゃなァ……)





    『火のないところに煙は立たぬ』

    煙を立たせることができる武術家は、もはや炎であるということ。


    76以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/07(火) 01:41:04.91 ID:uKYOkO8V0
    以上で終わりです
    ありがとうございましたッ!


    79以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/07(火) 01:44:22.11 ID:b9NJJofE0
    こいつのボクシングどうなったんだよいい加減にしろ
    http://amazon.co.jp/o/ASIN/4253211178/



    81以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2014/01/07(火) 02:00:08.73 ID:zHEZYpdJP
    面白かったッッッッッッ!!!! >>1乙ッッッッッッ!!!


    烈海王「この私が、ことわざの真の意味をお教えしようッッッ!」
    http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1389014869/


    いじめから助けてくれた子のことを話したい

    家に誰もいないと思って全力で遊んでたら恥かいたwwwwwwww

    【閲覧注意】チ●コ骨折して俺の人生終了wwwwwww

    友人が好きな幼馴染に一緒になりたいといわれた時の話


    
                       
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    コメント

    無名の信者 2014年01月10日 11:39 ID:ydbPGxbN0 ▼このコメントに返信

    素晴らしいスレだ

    名無しさん 2014年01月10日 14:14 ID:MfmD5z6X0 ▼このコメントに返信

    元ネタ分からんしつまらん
    こんな糞記事まとめんな

    無名の信者 2014年01月10日 14:23 ID:JhZ34l610 ▼このコメントに返信

    わかんねーなら見んなよ...

    無名の信者 2014年01月28日 14:31 ID:PLK4XSkf0 ▼このコメントに返信

    くだらねえw
    もっとやれ

    

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